次世代の『稼ぐ店長』強室シリーズ
月刊誌『セルフサービス』2002年11月号  第5話【計数管理中級(在庫を制する!)編】


  

>         今の店舗へ来てはじめての小学校運動会でしたが、

>         このHPのおかげで過去最高の売上を

>         記録しました!ありがとうございます。

 

>         (中略)ところで、この前の週の運動会応援セールは、

>         セミナーでお聞きしたことをほとんど

>         使わせて頂き、ハマリました!

>         もちろん…過去最高の売上でした。\(^o^)/

皆さ〜ん♪ こんにちは〜!(^o^)丿 上記は先日、いろんな方から頂いたメールやHPの掲示板にカキコされた内容です。嬉しいご報告、わざわざ有難うございました。m(__)m

そう!先週末はあちこちで小学校の運動会だったんですよネ!私は運動会への思い入れが凄いんです。何故なら…

@     運動会のお弁当はどこの家庭でも重箱が主体。

A     重箱を埋め尽くす為の食材は多品種大量

B     従って、運動会前日の客単価は跳ね上がる

C     ところが、この市場にほとんどのスーパーでは目を向けていない

D     だから仕掛ければ、必ず莫大な売上を確保できる。

E     しかも!創業祭などのように、粗利益率を落とすことなく売上を稼げるのである。

 

今頃、運動会の話しをしても…って感じがしますが、私のクライアントでの指導や夏のセミナー・講演、そして私のHPではほんの一部ですが、拡販すべき運動会商材、通しチラシ・運動会前日のチラシの作り方、チラシに連動した売場の作り方…など、徹底的な運動会完全攻略法を伝授しています。昨年特別に何もやっていなければ、『売上180%アップ』保証付でネ!



例えば…お客様は、運動会前日に何が安かったら買い物に来てくれるのでしょう? 玉子?冷凍食品?サラダ油?…と考えた貴方は大間違い!(笑)やはり、アンケートデータをキッチリ採って攻めなければ、空振りするんですよねぇ〜 (^o^)丿 運動会攻略については、またの機会にお話することにしましょう。

 

では、そろそろ本題に入りましょう!先月号からスタートしたPI!PIKA式 計数管理 公開検定試験』。略して、PIKA検』。皆さ〜ん、インターネットからご応募されましたか? この機会に…店長さん、主任さん、パートさん、アルバイトさん…会社ぐるみ、お店ぐるみ、ゲーム感覚で参加して、『計数管理』をマスターして頂きたいものです。沢山のご応募をお待ちしております。

前回までは、前日の『在庫』がなく、当日仕入れて、当日に決算するという『その日暮し商売』編でした。今回からいよいよ『在庫』が関ってきますよ。では

 

前日の在庫が残っていたら、どうなる?

いかがですか? STEP2の4級問題と全く同じ仕入内容です。ただ、違うのは前日までの在庫が残っていた…という事だけです。


粗利益高

粗利益高を求める方法は先月号で、説明致しましたとおり、まずは面倒臭がらずに上の箱を書きましょう。そして、分かっているところに数字を当てはめていきます。この場合、期首在庫原価が7,200円ですよネ!すると、『売上原価』がわかり、次に『粗利益高』も簡単にお分かりのはずです。

『粗利益率』『値入率』については、本号では触れませんので、先月号でご確認下さい。

 

(在庫)原価率

売価に対する原価の割合のこと。売単価100円、原単価70円の商品の原価率は70%で、値入率は30%となり、『原価率+値入率=1』が成立する。もし、この商品がロス、売価変更(売変)無しで販売された場合、売上原価率は70%となり、粗利益率も値入率と同じ30%となる。しかし実際、我々のスーパーにおいては、ロスや売変がゼロと言うことは絶対有り得ないから、粗利益率は値入率より低くなるのが常である。

ほとんどの企業で棚卸は売価で行っているが…棚卸で分かった期末在庫売価に、在庫原価率を乗して期末在庫原価を計算して求めているのである。この方法を『売価還元法』と呼んでいる。

その計算式は、期末在庫の原価率を求めたいのですから、期首在庫と期中仕入の総和における、売価に対する原価の割合

これで求めることが出来ます。ところが、これは会社トータルの財務会計上の計算式です。この『PIKA検』では、店単位の月次決算に使用される管理会計上の簡易計算式…



こちらを使用して解いて頂きますから注意して下さいネ!これで、先ほどの『PIKA検・3級の問題』のC原価率は、もうお分かりになったと思います。今すぐ、インターネットでHP解答用紙にアクセスを!


前日の在庫が残っていたら、どうなる?


在庫の効率を示す指標には、在庫回転率などいくつかありますが、本誌では私が最も重要視している『在庫の鮮度指標』とも言える『在庫消化日数』を取り上げてみました。

 

在庫消化日数

 売上予算に対して、現在の在庫は何日分に相当するのか…を表した指標です。つまり、全く仕入しなければ、何日で在庫がなくなるか…を示す指標なのです。



商売のヒント

 私が色んな食品スーパーを見てきて、是非!在庫消化日数を意識して欲しい部門は2つ。まずは、お客様から見て一番、鮮度感が表面化しやすい青果部門。野菜で0.7日、果物で4日、トータル2.5〜2.7日で在庫を廻さなければ、『アノ店、古〜い野菜がいつまでも並んでるなぁ〜(-_-メ)』てなことになってしまいます。

 また、売場のあちこちにダンボールタワーが立ち並び、いつまでも同じ商品を売り続けているドライグロサリー(一般加工食品や菓子)部門。これも15〜18日で廻さなければ、金額が大きいだけに在庫負担(在庫金利)も気になるところである。是非、一度自店の在庫消化日数を確認して他店と比較してみましょう!貴方の店の鮮度感がすぐわかりますよ!

 

棚卸しなくても粗利がわかりますか?



だんだん問題が、食品スーパーらしくなってきました。期首在庫、期中仕入はSTEP4の2級問題と全く同じです。違うのは、棚卸をしていないということだけです。棚卸をしなくても粗利がわかる??

 

あるべき在庫高(売価)

 ロスをゼロと仮定した場合の帳簿上の在庫高で、計算式は…


この場合、売価変更には触れていませんので、必然的に売価変更高はゼロです。先月号や先のページでご紹介した『箱式解決法』は原価の世界、『原価の箱』だったのです。でも、あるべき在庫は売価の世界でのお話。そこで、もう一つの『売価の箱』を用意する必要があります。


この箱の中に該当する数字を入れていけば、ホ〜ラ!あるべき在庫高(売価)はすぐにお分かり頂けたと思います。

 

あるべき在庫高(原価)

 これは単純に売価に原価率を乗じると、原価を求めることが出来ます(売価還元法)。計算式は…


この式を使うと、あるべき在庫原価がわかり、これで棚卸を実施した状態と全く同じになり、やっと『原価の箱』を使って、粗利益高を算出できるのです。

そろそろお時間となったようです。では、今月はこの辺で(^.^)/~~~ 来月は、いよいよ問題も有段者挑戦になります!更にレベルが上がった計数管理、ロスや売価変更についての問題と解説です〜♪