儲からんことを一生懸命やってませんか?!
月刊誌『セルフサービス』1月号  第6話ー【SM絞首刑台への13階段・第5章】


 皆さ〜ん♪ 明けましておめでとうございま〜す。(__)m ・・・と言っても、この原稿を書いているのは11月中旬。まだ、そんな気分には全然なれないですね。しかし、この『SM絞首刑台への13階段』シリーズもあと4段を残すのみとなってしまいましたネ。当初2月まで連載のお約束でしたので、階段を上り詰めるほど、私のこの連載も終焉に近づいているということになります。最初心配しておりました途中降板はなかったけど、執筆も次回でお別れと思えばちょっと寂しい気持ちになってきました。(>_<)

実は今日、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』を見て来て、心が非常に豊かな気分なんですよ。だから、今回はお正月らしく・・・いつもより格調高く書こうかな・・・そんなことは私には無理だじょ。やはり、私には『爆裂ホンネトーク』の方がお似合いですよネ。いつも通りに書くことにしま〜す。(^o^)丿

 

 では、今回も前号に引き続きSM絞首刑台への13階段】の第5章をご紹介していきたいと思います。

 

第10段 突き出し・はみ出し陳列が大好きである?!

突き出し・はみ出し陳列はいけない!って、誰しも聞いた事があるはずである。(以後、突き陳・はみ陳と略す・・・いや、これだけは略すのは辞めておきましょう。笑。)それは何故? 突き出し・はみ出しした商品の奥にある定番商品が売れなくなるからとか…。しかし、確かに突き出し・はみ出した商品は良く売れる。だから、後を断たないのである。

ある店でこんな実験をしてみた。エンドのサブ通路側に60cm角のダンボールをはみ出しさせて、1日中その定点をVTR撮影してみた。すると、そのサブ通路へのお客様の流入率が2割落ちるのである。つまり、その定番通路の売上も2割落ちていることが予想される。この売上減は大きいぞォ〜(-_-;)

でも、私は突き出し・はみ出し陳列をOK!にしている。やっぱり、売れますからねぇ。但し!2つの条件があります。一つはどうせ突き出すなら、儲かるものを突き出せ!です。案外、儲からないものばっかり突き出していませんか?

【よく見かける売場@】

もう一つは、変化に気付くことのできる突き出し・はみ出し陳列でないといけないということ。


年から年中変化のないカレーエンド。変化がなければ、立寄率は低下する。強引に立寄らすために、『ここにカレーは何個あるでしょうか?』というクイズでも掲示しますか〜?

よく見かける突き出し・はみ出し陳列(私はこれをダンボールタワーと言っているが)のほとんどは、ず〜っと長い間、同じ物が積まれてしまう…かと言って、その一箱の商品が変わったら、その変化に気付くでしょうか? いわゆる、『売場の間違い捜し』クイズである。先週積まれていた箱と一つだけ違う箱はどれでしょう?ってね。そんな真剣に探すお客様もいないし、また分かるはずがありません。変化に気付かなければ、お客様は立ち止まってくれません。

更には、ダンボールのカットラインまでは売れるのですが、商品量がカットラインまで来ると、売れ方が鈍ってくるということも認識しておかなければなりません。つまり、その度にダンボールをカットしなければならない・・・逆に、非効率的なんですよね。

【よく見かける売場A】

更によく見かけるのが、パンのパン箱販売。ちょっとスペースがあると、すぐあの汚いパン箱を積み上げ、通路に広げてお買い得パンとして販売している。

様々な価格の商品が混在しているわけですから、POPも乱立状態。これも先程のダンボールタワーと同じで、一つ二つ商品が入れ替わってもなかなか気付きませんよね。いつもその場所にダンボールやパン箱を積むのなら、平台を置けばいいのに・・・。

【商売のヒント@】

平台を準備するといったら、木製の既製品で10万円以上もする。だから、お店サイドは経費節約の為に、ダンボールやパン箱で陳列するんです。私の指導先ではバナナ箱にホームセンターで売っているボードを載せ、その上に青果で使用しているグリーンマットを張って裾巻をします。これだと醤油を積んでも潰れませんし、経費も1台3千円ぐらいで出来てしまう。



この店ではあらかじめ10種類ほどのタイトルボードが用意されている。色の違うタイトルボードが付け変わるので、その変化はすぐ分かる。



パンのパン箱を販売を平台展開に変えると売れますよ〜
(^o^)丿 ポイントはパッと見た目の変化です。その為には、従来のPOPの乱立を辞めなければなりません。そして、『種類は豊富に、ワンプライス』。これにより、POPではなく、写真のようなビッグボードの下げ替えにより、売場の変化を大きく打ち出すことが出来るのです。




第11段 チラシが日割中心。売場にも季節の『売りの仕掛け』がない?!

折込チラシが日割特売だけ・・・これが、私の理想とする折込チラシなんです。しかも、どこにも負けない売価で!だって、折込チラシの目的って、お客様に来て頂く為にやっているのですからねぇ。やはり、『同じ商品なら、どこにも負けない売価』というのが、究極のチラシだと思いますもん。でも今でも、日割特売だけのチラシって、良く見かけますよねぇ〜。しかし!これは私の理想とは違います。だって、ホントに売場も特売商品だけなんだもん。アレでは、荒利益の確保は出来ましぇ〜ん。

【よく見かける売場B】

 いや、よく見かける店長さんと言った方がいいでしょうか。仕事上、色んな店長さんとお会いします。『あ、センセ、こんにちは!今、うちの店は売上が悪いんです。今度、うちの本社に行く機会があったら、言っといて下さいよ!もっと日割特売の売価を下げてくれって。』・・・この言葉は、初めて行く店で良く耳にしますよ〜。私も内部の状況は明確に把握していませんから一応・・・『分かった』と。そして、店長ヒアリングしながら、色んなデータを見せてもらうと・・・・・・オイオイ!売上が落ちているのはチラシのせいではなく、キミのせいジャン!と、いつもそう思うことになるんです。だって、売上前年比95%、客数前年比105%、客単価前年比90%なんですよ。お客さんは去年より来てるジャン。売上が低迷しているのは、客単価の落ち込み。もっと深く追求すると、1人当りの買上点数の落ち込み。つまり、売場に『売りの仕掛け』が全く足りないことを意味しています。


特売商品で売上を作ろう!と思っているから、メイン通路に積み上げるんですよねぇ。これでは荒利が低下するばかり。

私はチラシと店長の役割を明確に分けて考えています。客数アップは折込チラシの仕事。そして店長の仕事は売上アップではなく、客単価アップなのです。つまり、入ってきたお客様に1点でも多く買って頂く・・・これが店長の役割なんです。ところが、折込チラシの役割を売上アップと思っているから、特売商品を入口に置いたり、一番目立つメイン通路に置いたりする。だって、その特売商品で売上を作ろう!って、思っていますからね。これでは、荒利益が低下するばかり・・・。(-_-;) そして、更に特売売価を安くしろ!と言うのですから、もうたまりまセブン。(ちょっと古過ぎ!)その内、潰れますよ。 【注意!】『特売商品は隠せ!』とは私、一言も言ってませんからね。(10月号を参照)

 

先程、触れた私の理想の折込チラシは、売場には季節や生活歳時に合致した『売りの仕掛け』が1週間ごとに変わる。その上で、折込チラシが日替り特売だけ・・・という意味だったのです。ところが、それはとても大変なことです。チラシにも載せない(公言しない)で企画テーマの商品を継続的に演出するのですから・・・それは不言実行。ほとんど、超ハイレベル。不可能に近いです〜。(*_*)

だから、私の指導先では通しテーマをチラシに必ず、載せています。こうすること(公言)により、必然的に売場のどこかにその季節や生活歳時に合致した『売りの仕掛け』が出来ますからねぇ。いや、売場のメインで陳列するようにしています。これにより、荒利向上を狙うのです。

【商売のヒントA】

この1月号が配布されるのが、12月下旬。では、ここで1月上旬の商売のヒントを差し上げましょう。え!今からじゃ、間に合わないって? チラシには間に合いませんが、まずは店内だけ(インプロ)でやってみて下さい。くたびれ損は絶対にさせませんから。

毎年、初商後の1月第1週(47日)の企画テーマは何をお考えですか? 『新春ごちそう特集』ですか? もうご馳走はいらん。もう食わんぞ。ならば・・・『おせちに飽きたら、カレー』ですか? これは当っていますが、残念なことに皆さん、もう年末の日割特売で買わされて持っていますよ。違いますかぁ〜?


1月第1週はお好み焼きがお奨め!ポイントは、入口近くで派手に展開すること。何故なら、お店入ってすぐに、『今夜はお好み焼き!』と決めて頂かないと、材料が揃いませんからね。

私のお奨めは・・・『新春!お好み焼き大会』です。これだと、私たちが持っているお客様アンケートでも上位にありますし、何しろ家にはない材料というのが大きいのです。昨年、初めてやってみた店長でも・・・『あんまり安くしてないのに、あんなに売れるとは思いませんでした!』って言ってたぐらいです。


この写真は2年前のバージョンです。もっともっと派手に演出してくださいね。

また、1月5日は『イチゴの日』です。青果の一番平台では大胆にイチゴを展開、アピールしましょう。更に、店頭ではイチゴ大福とイチゴのショートケーキを大々的に対面販売を行って、爆発的な売上記録に挑戦しましょう。


本来、カート置き場だったのに…商品で埋め尽くされて、カートは店外に追いやられてしまっている。

面白い仕掛けでは、私たちは『吉例!節分餅まき大会』なるものを毎年やっていますよ。1回で大体、そのお店の1日平均客数の約2割の集客が見込めます。まぁ、地域のお客様への恩返し企画と思ってください。1日に来店客数が2千人なら400人。生の小丸餅を2000個、キャンデーを2000個まきます。餅の袋の中には、豪華景品が当る抽選券も入っています。だから、お客様も大喜び&エキサイトする企画です。ただ、せっかく集まって頂いたお客様が、餅だけ拾って帰られないようにちょっと工夫してくださいね。

この店では、初めてにも関わらず多数のお客様が来店。キッチリ場所の確保を行い、けが人が出ないように気をつけてくださいね。




  そろそろお時間となったようです。いよいよ、来月が予定された最終回となってしまいました。そう思うと寂しいですね。(T_T) では、今月はこの辺で





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