儲からんことを一生懸命やってませんか?!
月刊誌『セルフサービス』11月号  第4話ー【SM絞首刑台への13階段・第3章】


 皆さん、こんにちは〜♪ 来ましたよ〜!いろんな方からご意見、ご感想のメールが。(^o^)丿 しかも、この業界以外の方からが多かったです。実は、この雑誌が配本されると同時に、私のホームページでもこの記事が紹介されているんです。そこで、『セルフサービス9月号』の私の記事を読まれた業界以外(特に主婦)の方々からのメールは、ほとんど同じ内容の事が書かれておりました。『エーーッ!どちらも同じ値段だったんですか?!エンドと定番の商品の価格が違う場合は、いつも価格の安いエンドの商品と取り替えていましたよ〜!』。スーパーにお勤めの皆さ〜ん♪ やはり、エンドと定番の商品の価格は合わせておかないと、『この店の定番は高〜いッ!』てな事になっているようですよ。9月号でも書きましたが、私たちにとっては些細なことでも、お客様にとっては重大な問題に発展しているんですよねぇ。

ただ…業界以外の方にとっては『SM』とか『縛る(私は絞首という漢字で書いたはずなんですが)』と言うタイトルはあまりにもショッキングだったようで、勘違いが多々あったそうです。(笑)

 

 では、今回も前号に引き続きSM絞首刑台への13階段】の第3章をご紹介していきたいと思います。

 

第6段 冷ケース最下段にPOPをセロテープ付け?!

 これも、実際 いろんな企業の売場クリニックをしているとよ〜く目にする光景です。POPをスタンドに取り付けるのではなく、直に冷ケースの手すり部分にセロテープでPOPを貼り付けている状況です。コレって、何故いけないのでしょう?


まず、一つにはセロテープで付けたり、外したりしていると…その跡が汚い。セロテープの粘着部分に空気中のホコリがついて…コレがまた拭いてもなかなか取れないんだ!二つ目には、せっかく取り付けても目立たないと言うこと。誰もいない時、正面からよく見えても、商品の前にお客様が一人立つだけで隠れてしまいますよね。私はこのPOPのことを『犬猫POP』と呼んで、バカにしています。(^.^) だって、お客様の視線からは大きく外れ、ちょうど犬猫の視線の高さにあるからです。最後に、一番大事な三つ目。犬猫POPでは通路を通られるお客様に何ら、アピールしていない!と言うことです。コレが改善後の写真です。(お店は違いますが)

どうですか?これなら通路を歩かれるお客様の目にドンドンPOPメッセージが飛び込んできます。更にはお店がイッキにキレイに見えるから不思議です。このように、通路に垂直にPOPを立てる…これを立寄らせる為のPOP『立寄りPOP』と呼んでいます。当然、商品の正面に立つとこのPOPは見づらくなりますから、正面にもPOPを取り付ける必要があります。しかし、コレはもう商品の前にお客様が立っているのですから、小さめのB6・1/2サイズで十分なんです。コレをお客様が立寄った後、買ってもらう為のPOP『買上POP』と呼んでいます。このように、冷ケース最下段の商品には、立寄りPOP2枚(裏表)と買上POP1枚が必要なんです♪(ホームページでは、同じ店での改善事例を紹介しておりますので、その変身度合いが更にハッキリとわかりますよ。)

【よく見かける売場@】

 最近、この3ヶ月ぐらいで色んな企業さんの15店舗ほどの売場クリニックを行いました。そこで、また新たなる法則性の発見をしました。ほとんどのお店で…冷ケース内のプライスカード(P/C)の付いている位置が生鮮と日配では違うんです。つまり、P/Cが生鮮は商品の上なのに対して、日配は商品の下(前)に付いているんですよね。これは、青果(水物)と日配が隣り合わせた冷ケースの写真です。



このことについて、色んな企業のパートさんに意見を訊いてみました。すると、皆さん口を揃えて、『コレって、ゼッタイ買いにくいよねぇー!』だそうである。(-_-;) それもそうである。何の予告もなく、急にP/Cの見方を変えなければならないのだから。基本的には日配のように、商品の前にP/Cを取り付けるように私は統一させています。何故なら、上に取り付けると…特に最上段の商品のP/Cが離れすぎて見えないからです。その証拠に、売っている店側の本人もP/Cが見えていないようです。(*_*)

富士りんごにジョナ、桃にムツ、梨にふじ…のP/Cが付いている。こりゃ、従業員にも全然見えていないな。

第7段 売る気を全く感じない売場が多すぎる?!

色んなお店の売場クリニックをしていると…『この商品、ホンマに売る気あるんかいな?』と言う売場が随所に見られます。それがどこの企業でも、お店でも大体共通して言える『法則性』が又あるんですねぇ。

【よく見かける売場A】


地場野菜、生産者コーナー。目的は競合店差別化とか、健康志向とか…いわゆる『こだわり商品』として最初は入れたはず。ところが、売り方まで、こだわっていない。ただ、バッカンに入れて、売場に転がしているだけである。(-_-;)

【よく見かける売場B】

切花コーナー。切花は全てを花屋さん任せで、売上分率で荒利を頂いている例が多い。


だから、店側は無関心。POPも付かなければ、タイトルボードは尚更のこと付かないのである。一つ一つの価格を見ると、結構安いのに見た目にインパクトが全くないのである。あ〜、もったいな〜い。(-_-;)

【よく見かける売場C】

雑誌コーナー。これも切花と同じような仕入体系のお店が多い。(-_-メ) だから、無関心。よく本を読まないで置いておくことを『積ん読』と言うが、私はこのような売り方を『ブルーレット』と言って、小バカにしている。だって、『置くだけ』なんだもん♪(-_-;)

【よく見かける売場D】

和菓子コーナー。ほとんどの店ではこのように、パンの片隅で売られている。しかも陳列の仕方が汚い。饅頭を輸送用の白いセルロイドケースに入れたまま販売している店も多いよね。和菓子は季節に応じたきれいな雰囲気で売れば、値引かずにドンドン売れる商品である。また何故か、メーカー別に離れて売る癖もある。

【商売のヒント@】

それでは、今まで紹介した売場の改善事例をイッキに紹介しましょう。私の持論!他店が一生懸命していないから、効果は覿面!

地場野菜、生産者コーナー。ここでのポイントは、通常の商品の括り方とは異なり、生産者自身を前面に出し、生産者ごとに商品を括る。更には、POPなど生産者の顔や声が売場に反映されることである。

切花コーナー。まず、プライスPOPの取り付けからである。この前もある店長が言っていた。『花屋に言っているんですが、POPを付けてくれないんですよ〜』。私…「荒利20%もらっているんだったら、キミがつけたらぁ〜!」。プライスPOPはバケツ毎に刺す。ホームセンターの園芸用品で売っている緑の棒に、名札ケースを取り付けたもので十分。但し!バケツの中を動くので、POPは裏表、両方つけておくことがポイントである。更に、写真のように、生活歳時に合わせたタイトルボードがあるといいですねぇ。

 

雑誌コーナー。注意点は2つ。@レジの後ろに雑誌コーナーがある店も多い。まず出来るだけ、レジ前にもっていくレイアウトを考える必要がある。A衝動買いさせるような仕掛けが要るぞ。どんな仕掛けが有効か?なおかつ、簡単&明瞭でなければならない。誰も古い雑誌を買おうとは思わない。そこで…

本日入荷の商品の前に『本日発売!』のPOPを下げるだけでいい。なかでも、食品スーパーで抜群の売れ数を誇っているのが、『週間TV情報誌』。コレを仕掛ければ、もっと売れるはずである。私たちはこの雑誌の発売日、全てのレジ前にちょっとした突き出しをして、『本日発売POP』を積む。すると、ビックリするぐらい売れまっせーッ!

和菓子コーナー。まず、最初にやるべきことはメーカー毎に散らばっている和菓子を一つのエンドまたは平台にまとめることである。その場所はレジの向かい側のエンドがいい。和菓子は老若男女を問わず、衝動買いが多く発生する商品だから。陳列方法は下から上に、消費(賞味)期限の短いものから並べていく。つまり、最下段はワイドのステージにして、朝生系の和菓子がフードパックに入った商品の量販となる。ここで、朝生系というのは大福、破れ(薄皮)饅頭、桜餅、柏餅、どら焼き、きんつば、みたらし団子…等を指す。そして、季節に応じた毛氈やタイトルボードを使って、きれいな雰囲気の下で売ることである。日商5万〜7万円は確保できるコーナーになる。しかも値引かず売れるわけであるから、荒利も30%近くを見込める。更に!日頃より和菓子をきっちり売っていれば、ここぞ!と言う時に爆発的な売上も確保できるのである。

ちなみに、下の写真は今年、私の指導先全社で取り組んだ『七夕団子』の売場である。なんと!日商14万円も売ったぞ。別に九州で、七夕には団子!という風習なんかない。こちらから仕掛けただけである。

そろそろお時間となったようです。今月は写真を多用して、具体的な改善方法をご紹介したつもりですが、いかがでしたでしょうか? では、今月はこの辺で(^.^)/~~~





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