去る、2000年3月1日、弊社クライアント『島根県Bスーパー』では、例年どおり、全従業員を一堂に集めて、『2000年度方針発表会』が開催され、社長よりパート・アルバイトにまで、同じ言葉で分かりやすく本年度の方針が発表された。その内容は、実に一貫したストーリー性で、商売の基本をきっちりと伝える『バイブル』的なものだと思い、広くここに紹介することにします。
 良く、『方針発表会』は無駄なこととよく耳にしますが、この会社では、3年前から年度始めの恒例行事として、根付いています。この方針発表会は、社長自ら、自分の熱き想いを全従業員の皆さんに、分かりやすく伝えて、みんなの『価値観統一』『一枚岩』になる意味において、非常に重要な役割を担っていると思いますよ!ここでは、そのダイジェストでご紹介いたします。


プロローグ【過去5年間の営業数値】
 新店を出すこともなく、純粋な既存店だけで、確実に右上がり基調にある。この平成不況の中、これだけの営業成績を残せたのも、従業員の皆様のお陰です。深く、感謝申し上げます。ただ、一つだけ、欲を言えば、売上の伸びに対して、『荒利益高』の伸びが少し鈍いと言うことです。【ちなみに、このスーパーは97年度のスタート時より、弊社とコンサルタント契約を締結して、丸3年が経過。】


第1章 確認!商売の原点とは?
儲けなければ、商売ではない!!
《その方法は?》
お客様の満足を追及し
『新鮮さ・楽しさ・健やかさ』を実現すること。
もし仮に!儲けることが出来なければ…
◆皆さんの給料を上げられない。
◆新しい設備やシステムを買うことも出来ない。
◆真の意味で、お客様への利益還元のサービスが出来ない。
◆新しい人材や教育も出来ない。
◆改装したり、新店を出すことが出来ない。
◆急な環境変化に耐えられない。『晴天は無し、荒天に備えるべし』
◆銀行が相手にしてくれない。
◆行く末、この会社はこの世からなくなってしまう。


第2章 その『儲け方』の意思統一
《その方法は?》
『敵【解決すべき問題点】は内部にある』
競合店から儲けを獲ってくるのではなく、お客様にご迷惑をかけるのでもなく
社内の人・物・金・情報の管理&仕入れと販売のシステム・・・つまり
『管理』『システム』のバージョンアップしかない。
例えば…解決すべき問題点とは?!
◆ひところに比べ、減ってきたがまだ、『品切れ』はあります。
◆まだ、かなり見切ったり、廃棄したりしています。
◆在庫はまだまだ多くあります。⇒死に筋の発見が出来ていません。
◆新商品の情報や売れ筋・店の棚割など、まだまだ遅れています。
◆効率よく作業するための環境整備など、まだ沢山あります。


第3章 小売業として、お客様をお迎えする者として…
《何をすべきか?》
『当り前』のことを『当り前のレベル』
にしよう!と言うことだけのことです。
BUT!当社には、『当り前』に出来る為の
『仕組みやシステム、マニュアル』がまだまだ不足しています。

だから!今年1年
利益追求・成長企業として
内部改革
を更に推進して、成長したい!のです。


第4章 実現する為に変える事
《何を変えるべきか?》
『目標』『モノの観方』を変えて頂きたい!

《従来まで》
何だかんだ言っても…やっぱり『売上高重視』
《これからは》
『目標設定』責任の明確化と『モノの観方』利益意識『荒利高重視』
例えば…
◆営業管理表のフォーマットもすべて、荒利益高重視型へ変更【店名のすぐ横に荒利高】
◆『てんこ盛り作戦(重点販売商品の販売コンクール)】も高値入商品の拡販へシフト
◆商品部バイヤーの責任の明確化⇒『荒利高獲得』
          つまり、これにより、仕事の仕方も変えるのです。


第5章 利益自信の持てる会社作りの推進
【全社一丸となって前進する為に!】
★役割を明確にした組織にします★
責任の
明確化
●社長ー経常利益責任●店舗運営部長ー営業利益&売上高責任
●総務・管理部長ー経費高責任  ●商品部長ー荒利益高責任
お店は? お店の方は、もっとお客様とコミュニケーションしてください。
     【お店はお客様のためにある】の徹底。
本部は? 本部の方は、もっとお店とコミュニケーションしてください。
     【本部はお店のためにある】の徹底。
ありがとう 【有難う】は相手に『やりがい』『達成感』を与え、更なる『やる気』を起こす言葉です。店・本部のコミュニケーションにおいては、『ありがとうの心』をどんどん表してください。
人財育成 今年も、新しい人財が我が社に注入されます。
皆で温かく迎え、自己啓発・相互啓発に努めましょう。
我が社は今年も『人財育成』の投資は惜しみません。


エピローグ 基本理念
革新・挑戦・創造
経営理念
○○○は、お客様の食生活に満足を与え続け
そこで働くみんなの幸せを実現し
地域社会になくてはならない会社として
『よりよい未来』貢献することをその理念とする